ホーム >コラム「長崎街道をゆく」>永昌宿&諫早の城下町
長崎街道

永昌宿&諫早の城下町
~うまいうなぎを食べましょう~

 大村市内を通過した長崎街道は、諫早に入ります。
諫早に入ると岩茶屋跡があります。そして鎮西学院のわきに通る、「中井原の堀切」といわれる人の高さほどの堀切の中を通り、JR諫早駅方面へ向かいます。
岩茶屋跡
▲岩茶屋跡
鎮西学園前
▲鎮西学園前
中井原の掘切
▲中井原の掘切
諫早駅
▲諫早駅

 永昌宿は、長崎から来た旅人たちがゆるりと体を休める場でもあり、島原方面への分岐点でもありました。長崎街道は、店舗現在のJR諫早駅とは、少し離れており、 JR諫早駅の西側を通っています。
では、少し諫早のまちを散策することにしましょう。その前に、まずは腹ごしらえから…

 街中を流れる清流「本明川」や有明の海、そこで採れていたうなぎを使った料理で江戸時代より「うなぎ処」として知られていた諫早の町。「焼き」のあと、楽焼の特殊な器に盛りつけられることによって、軽く蒸しがかかり、ふっくらと、とろけるような舌触りが生まれるのが特徴だそう。
中でも、創業明治16年よりうなぎのおいしさを追求してきた〈北御門〉。ここは、赤楽焼の器の発祥の店としても有名です。また、最近では、うなぎとすっぽんのエキスが入ったコラーゲンたっぷりの「絶品スープ」も登場しました。女性はサービスで480円に!まだまだこの先長崎まで長旅。諫早名物うなぎ料理の老舗でおいしいうなぎを食べて、元気をいただきましょう!
※北御門のHP:http://www.kitamikado.info/
松御膳(蒲焼5切)2,890円
▲松御膳(蒲焼5切)2,890円
「絶品スープ」580円
▲「絶品スープ」580円
本明川
▲本明川

 さて、北御門を出て、向かいに流れる川。これが、本明川です。

 本明川には、川を渡る唯一の通路として利用されていた「飛び石」が12箇所設置されています。昔ここでは、川遊びをする子どもたちや、語らいながら主婦たちが洗濯をしていたそうです。その頃は、橋がなかったため、人々にとっては、重要な交通手段だったそう。そんな飛び石は、「諫早大水害」により、流失しましたが、ドラマの撮影で一時仮設されたことから、地元の人たちの熱い想いで復元されました。近年では、眼鏡橋の形をイメージした飛び石も造られています。一度はなくなった飛び石ですが、「人と語り合う場」という意味では、今でも変わらないようですね。
飛び石
飛び石
▲飛び石
諫早万灯川まつり
▲諫早万灯川まつり

 また、毎年7/25に、ここ本明川一帯で「諫早万灯川まつり」が行われています。これは、「諫早大水害」で犠牲となられた630人の尊い御霊のご冥福をお祈りするとともに、災害に強いまちづくりへの決意を新たにするために行われているものです。静寂な川面を2万3000本の美しい万灯が彩ります。そして、その風景をバックに、約1,500発の花火が打ちあがります。

 本明川の手前にある諫早公園内のあるのが。有名な眼鏡橋。もともと水害の多かった諫早のまちですから、江戸時代に、「永久不壊の石橋」を造ろうと、まちの人たちは各地にある名橋を視察研究し、長崎にある眼鏡橋を見本として新しい橋の設計を行ったのです。しかし、「諫早大水害」により、流木などがこの橋で留まり堰となってしまい、市街地へ大きな水害を引き起こすことになってしまいました。そのこともあり、現在の諫早公園へと移したのです。橋の長さ49.25m、幅5.5m、石の数は約2,800個使用しているそうです。毎年春には、ここでつつじ祭りが開かれています。
眼鏡橋
▲眼鏡橋
眼鏡橋に咲くつつじ
▲眼鏡橋に咲くつつじ
 まだまだ諫早の名物はあります。諫早市民に最も親しまれている民謡「のんのこ諫早まつり」です。「のんのこ」とは、諫早の方言で「かわいい」という意味です。両手に2枚の小皿を持ち、曲に合わせて調子よく打ち鳴らす全国でも珍しい踊りだそうで、毎年9月に前夜祭を含む3日間にわたって開催されています。「のんのこ街踊り」には、市内の企業や学校をはじめ、約6,000名が参加し、毎年多くの人たちで、賑わっています。
のんのこ諫早祭り
のんのこ諫早祭り
▲のんのこ諫早祭り
森長の「黒おこし」
▲森長の「黒おこし」

 永昌宿のたびもそろそろ終盤。やはりたびに欠かせないのがおみやげ。諫早のおみやげと言えば、諫早を代表する銘菓とて200年の歴史を誇る「おこし」。
中でも、創業218年、長崎・諫早の老舗「菓秀苑森長」で出されている「黒おこし」がおすすめ。口触りの黒砂糖の粒が残り、程良いコクのある味わいが楽しめる伝統のお菓子です。永い時を越えて愛され続けてきた黒おこしをぜひ旅のおみやげにいかがでしょうか。
※森長のHP:http://www.kashuen-moricho.co.jp/

 長崎からの旅人が一泊していくところでもあった永昌宿。今では、諫早市として、お店もたくさんあって、人もたくさん住んでいて、お祭りがあったり、イベントが開かれたりと大いに賑わっています。諫早大水害でたくさんの人のいのちが奪われ、悲しい過去もありますが、それもこの町を守っていきたいという諫早のまちの人たちの、やさしい心が、町のところどころに感じられます。さらに、うなぎパワーで、栄養回復!さらに力もわいてきたところで、今までの足の疲れもふっとんだようです。

 次は、浜宿から多良宿へ参ります。


長崎街道を歩こう!

【永昌宿】
○江戸時代の国名/佐賀藩諫早領
○現在地/諫早市永昌町
○アクセス(どちらも長崎方面からと考えて)/
  電車…JR大村駅から徒歩10分
  車…長崎自動車道諫早ICから車で15分
○まつり/つつじ祭り(4月)、諫早万灯川まつり(7月)、のんのこ諫早まつり(9月)

【中井原の掘切】
○所在/諫早市栄田町
○アクセス/
  電車…JR諫早駅からバスで10分(長崎県営バス「破籠井」行き乗車 「鎮西高校前」下車)
  車…長崎自動車道諫早ICから車で10分

【諫早駅】
○所在/諫早市永昌町1-1
○アクセス/
  車…長崎自動車道諫早ICから車で15分

【北御門】
○所在/諫早市八天町4-3
○電話番号/0957-22-0167
○アクセス/
  電車…JR諫早駅から徒歩5分
  車…長崎自動車道諫早ICから車で15分

【本明川】
○所在/諫早市栄田町
○アクセス/
  電車…JR諫早駅から徒歩で5分
  車…長崎自動車道諫早ICから車で15分

【眼鏡橋】
○所在/諫早市高城町
○アクセス/
  電車…JR諫早駅から徒歩で10分
  車…長崎自動車道大村ICから車で15分

【森長】
○所在/諌早市八坂町3-10
○電話番号/0957-22-4337
○営業時間/9:00~18:00
○定休日/元日のみ
○アクセス/
  電車…JR諫早駅から徒歩で約20分
  車…長崎自動車道諫早ICから車で約15分

【参考文献】
『長崎街道を行く』 著/松尾卓次 発行/葦書房
諫早観光物産コンベンション協会HP (http://www.isahaya-kankou.com/
諫早WEB情報室HP (http://www.isahayacci.com/

【写真&資料提供】
諫早観光物産コンベンション協会
諫早商工会議所
ながさきプレス